2009年7月6日月曜日

水のもれるダム





<水たまらないダム>

大分県との県境、熊本県・産山(うぶやま)村に建設中の「大蘇ダム」。(事業費593億円)火山灰質の土壌を甘く見た結果,水がしみ出て溜まらない珍しい「水漏れダム」となった。いまや30年の建設工程が無駄になろうとしている。という記事を読みました〜。

日経090706
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通常ダムに溜まった水は,社会に大きく貢献する。田畑を潤し,水不足を解消する。高地に蓄積された水は、それ自体がポテンシャル・エネルギーを持っているので、水力発電に利用することもできる。ダムに水が溜まるということは、それだけで人間社会のインフラとして、重要なエネルギーと資源が溜まると言うことである。

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ダムに溜まった大量の水が漏っているエネルギーの状態は「準安定」という状態だ。水門を閉めた状態では、水はしっかりとダムに閉じこめられていているのだが、一旦水門を開け放てば、そこから斜面を下り落ちる水は、多量のエネルギーを一気に放出する。それに比較して、地中深くに蓄えられた地下水の場合「安定」しているために、そのエネルギーを取り出すことが出来ない。

ガモフ全集 5 「原子力の話」 P25

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人間にも、ダムのようにいろいろと溜め込むタイプの人がいる。日々のストレスにしても、勉強の積み重ねによる教養にしても、何らかの形でそれは、一人の人間の中にため込まれていく。それが、その人の人格であり、人生であろう。人間の一生のうちにため込まれた、エネルギーは時として、いつか巨大な力を持つようになることがある。

ヒトラーのような怪物は、まったく異常な形で「人生のエネルギーが蓄積した人間」か。ユダヤ人に対する嫌悪、自分を阻害した社会に対する復讐心、嫉妬、怨念。こうしたエネルギーは、巨大ダムのように溜まってしまっては迷惑だ。迷惑どころか人類全体に対する驚異にすらなる。

人間の場合もダムと同様、内部にためられた「エネルギー」は「準安定」の状態にある。一見おとなしそうな性格の人でも、ひとたび「キレる」と何をやりだすか分からないという場合がある。巨大ダムのように、満々と水を蓄えながらも、ひたすら静かな湖面のみを見せて「安定」状態を続けられる人間を、偉人というのかもしれない。

私自身の場合は、内部に水がたまるどころか、毎日のストレス解消が過ぎて(愚痴りながら飲む)ほとんど「水漏れダム」状態である。多少は人生に蓄積があってもよい年齢だのに。貯まるのは脂肪だけ。「大蘇ダム」に、ちょっとだけシンパシーを感じている。

たまにはまじめな投稿 by カズオ 090706

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